給湯器は生活になくてはならないものです。キッチン・洗面・浴室など、お湯を必要とする場所はどの家にも必ずあります。
給湯器選びは、現在お使いの給湯器と、同じ設置状況・同じ種類の給湯器への交換が基本であり、戸建て・マンションなどお住まいのタイプによって種類や選択肢が変わってきます。また、給湯能力やオート・フルオートなどの違いで迷いやすいポイントがあります。
種類が豊富なのは構いませんが、どれを購入したらよいのか「選び方」がわからない方も多いの現実です。
そこでこの記事では「給湯器の選び方」について注意すべきポイントなど解説します。
ガス給湯器は、設置場所が戸建てかマンションかで設置方法が分かれるため、商品を選ぶ前に設置したい場所、排気の方式、サイズをチェックする必要があります。
設置場所によって適している機器が異なってきますので、設置場所を見極めるのは重要なポイントになります。
また、ガス機器は、設置地域や機器の設置基準、法令によってさまざまな制約があり、誤った設置をしますと思わぬ事故を起こす可能性があります。
設置にあたっては、設置基準や法令にのっとった工事が必要になりますので、専門の業者にお任せください。
戸建ての場合、基本的には現在お使いの給湯器と同じ設置状況・種類への交換となり、商品には大きく分けて壁掛けタイプと据置タイプに分かれます。外壁に設置され、本体の下から配管が出ているのが「壁掛タイプ」、地面やブロックの上に設置され、本体の横から配管が出ているのが「据置タイプ」になります。
なお、据置タイプは通常の据置タイプと浴槽隣接タイプに分かれますので、現在お使いの給湯器をご確認ください。
現場状況によっては壁掛から据置など、設置条件を変更しての交換も可能です。
特に、現在浴槽隣接型と呼ばれる浴槽に2つ穴があいているタイプの給湯器からの交換は、1つ穴の据置タイプに交換した方がお得になるケースもあります。
壁掛タイプ |
戸建住宅の屋外やアパートやマンションのベランダなどの屋外の壁に機器を設置する形態になります。設置フリー型とも呼ばれ、通常浴槽の穴は1つ穴になります。なお、ガス、給水、給湯、追焚配管は機器の下側で接続される形になります。 給湯器下に配管カバーがあって、中の配管が外からは見えないようになっている場合もあります。 |
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据置タイプ |
戸建住宅の屋外に据置設置する形態になり給湯器が地面やブロックに置かれています。設置フリー型とも呼ばれ、給湯器側面から配管が接続されています。浴槽にある循環金具の数が1つだけの場合は、据置タイプに該当します。 |
浴槽隣接タイプ |
浴槽のすぐそばに設置するタイプで、屋外の床に据置で設置されているタイプの給湯器です。給湯器側面と給湯器背面の両方から配管が出ています。浴槽にある循環金具の数が2つある場合は、浴槽隣接タイプに該当します。 |
マンションの場合、設置条件が限られている場合が多く、現在お使いの給湯器と同じ設置状況・種類への交換が基本となるため、商品選択の幅は広くありませんが、商品の種類はやや多くなります。廊下などガスメーターなどが収められているPS(パイプシャフト。パイプスペースとも)の中に設置されているのが「PSタイプ」です。扉の中に入っており、外からガス給湯器が見えない場合もあります。ベランダの壁に設置され、本体の下から配管が出ているものは「ベランダ壁掛タイプ」です。
給湯器の設置状況がPS設置の場合、エコジョーズ給湯器への交換は特殊な工事で対応する可能性が高いので注意が必要です。
壁掛タイプ(ベランダ設置) |
ベランダの壁に固定されているタイプの給湯器で給湯器の下から配管が出ています。 狭小スペースでも設置できるスリム型もあり、設置には自由度があります。 |
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PS標準設置タイプ |
マンションの玄関脇にあるパイプシャフト(もしくはパイプスペース)内に設置されている給湯器で扉はついておらず、一般的に外から給湯器本体が見えるような形になります。 |
PSアルコーブ設置タイプ |
マンション等集合住宅の玄関脇にあるパイプシャフト(もしくはパイプスペース)に機器を設置し、排気を側方に排出する形になり扉はついていません。ベランダ設置でも設置場所の関係から、同タイプの機器を設置する場合もあります。 |
PS扉内設置タイプ |
玄関脇にあるパイプシャフト(もしくはパイプスペース)内に設置されている給湯器で、扉で覆われていて給湯器本体が外側から見えません。一般的に丸い排気口から排気を前方に排出する形になります。ベランダ設置でも設置場所の関係から、同タイプの機器を設置する場合もあります。 |
PS扉内後方排気延長タイプ |
PS扉内設置タイプの一つで、マンションの玄関横のパイプスペース(PS)と呼ばれる場所に設置し、後方に延長して排気するタイプです。 |
PS扉内前方排気延長タイプ |
PS扉内設置タイプの一つで、マンションの玄関横のパイプスペース(PS)と呼ばれる場所に設置し、前方に延長して排気するタイプです。 |
PS扉内上方排気延長タイプ |
PS扉内設置タイプの一つで、マンションの玄関横のパイプスペース(PS)と呼ばれる場所に設置し、上方に延長して排気するタイプです。 |
ガス給湯器は、大きく分けて「ふろ給湯器」「暖房機能付給湯器」「給湯専用給湯器」「高温水供給タイプ」の4つの種類に分類できます。
ここでは、給湯器の種類について解説します。
「給湯+自動湯はり+おいだき機能を備えた給湯器」
1台でキッチンやシャワーなどの蛇口からお湯を出すことと、自動湯はりやおいだきができます。 通常の戸建住宅やマンション等でおいだきが出来るのはこの機種です。
「給湯+自動湯はり+おいだき+温水暖房機能を備えた給湯器」
1台でキッチンやシャワーなどの蛇口からお湯を出すことと、自動湯はりやおいだきができ、また床暖房や浴室暖房乾燥機、ミストサウナ等、家中の温水暖房システムがこの一台で賄えます。
おふろ給湯器にプラスして、床暖房や浴室乾燥機などの温水暖房機能を備えたタイプ給湯器です。
「給湯機能だけがついた、シンプルな給湯器」
1台でキッチンやシャワーなどの蛇口からお湯を出すことのみを行うタイプの給湯器です。 アパート等の単身者向け住宅やキッチン専用のスポット給湯に使用します。
「給湯+自動湯はりを備えたシンプルな給湯器」
蛇口からお湯を出すことと、追い焚きはできないが、湯はりまでは行うタイプです。
給湯器には従来タイプとエコジョーズタイプの2種類の機種があります。従来からの標準的な給湯器と、これまで無駄にしていた排気熱を上手に利用して、少ないガス量で効率よくお湯を沸かすエコジョーズ給湯器では、約10~15%程度ガスの消費量を抑えることができます。ガスの消費量が減るということは、ガス代も同等程度削減できるということになり、また、二酸化炭素の排出も減らすことができる環境にも優しい給湯器です。使用状況にもよりますが、約3年程度で購入代金の価格差を回収できます。エコジョーズは、ガスを使えば使うほど削減できる費用が大きくなるので、月々のガス代が高いと感じている方、毎日お風呂にお湯を貯めて利用する方、ご家族の人数が多い方など、ガスの使用が多いご家庭には特におすすめです。PS設置タイプにエコジョーズを設置する場合、特殊工事が必要になりますが、それ以外の設置タイプであれば自由にエコジョーズへ交換できるケースがほとんどです。
従来からの標準的な給湯器です。 エコジョーズタイプに比べて価格が安く初期費用を抑えられますが、月々のガス料金は高めになります。エコジョーズのようにPS設置などの場合の特殊工事が必要なく、設置場所を選びません。
ご家族構成が少ない方や、ガス料金が安い方におすすめです。
エコジョーズタイプは家計にも環境にも優しい高効率な次世代型給湯器です。一般型よりも熱効率が高く、ガス使用量・二酸化炭素排出量を10%~15%程削減できる省エネタイプの給湯器となります。月々のガス代が高いと感じている方、毎日お風呂にお湯を貯めて利用する方、ご家族の人数が多い方など、ガスの使用が多いご家庭には特におすすめで、毎月のランニングコストがとってもお得になります。今まで捨てていた排気熱を再利用するため熱効率が向上。二酸化炭素排出量も削減されるので地球環境にも配慮された給湯器です。
今まで捨てられていた排気熱を再利用することで、従来では80%程度だった熱効率が95%に向上しました。熱効率が良いためガス使用量をカットすることができ、地球温暖化の一因となる二酸化炭素排出量を従来と比べ大幅に削減します。環境にやさしい給湯器になります。
エコジョーズは、従来のタイプでは捨てていた排気熱を再利用することで高い熱効率を実現していますが、その構造上水が出ます。ドレン水と呼ばれる水で、蒸気が冷えて凝縮したものです。この凝縮水が「ドレン排水」と呼ばれています。しかも、ドレン排水はガスの燃焼に由来することで、その性質は「酸性」となっているのです。そのようなこともあって、ドレン排水は適切に扱う必要があると政府機関や自治体は取り決めています。しかし、このドレン排水は給湯器内にある中和器を通ることで一般の水のレベルまで中和されるため、特別な処理方法がある訳ではなく、基本的には「汚水」や「雨水」として処理すれば良いという取り決められています。
しかし、当社では体に影響がないとはいえ、そのまま垂れ流しにしても良いとは言えませんので、ドレン排水工事を推奨しています。どのように配管を設置するかなどは実際の状況を見て判断します。設置状況によっては配管延長の工事などが追加になる場合があります。
給湯器の号数は、16号・20号・24号の3種類があります。
号数とは、水温+25℃のお湯が1分間に出るお湯の量を示す単位になります。1分間に20リットルお湯を出せれば20号となり、号数が大きいほど一度にたくさんのお湯を使うことができます。
一般的なご家庭では、家族の人数や、お湯の使い方などからご家庭にあった号数をお選びください。今お使いの給湯器で湯量が足りないとお感じになることがなければ同じ号数をおすすめしておりますが、家族が増えたお湯の使い方が変わったなどで湯量が足りないと感じられる場合は、サイズアップも検討していただくことができます。
ご利用中の号数と同じか号数を上下するか、今ご使用中の号数が分からなくて決められないという場合、本体のシールを見ていただければ確認可能です。現在お使いのガス給湯器の号数をチェックして参考にしてください。銘板シールに記載されている型番で、最初の2桁の数字が給湯器の号数です。
(例)FH-E205AWLの20の部分が号数
単身者~2人家族向け
一度に複数個所で使用しない方におすすめです。2か所同時に使用の場合、片方の湯量が少なくなります。1人暮らしであればお湯をシャワーや台所で同時に使用することもないと思いますので、16号をお薦めしますが、冬場でもたっぷりシャワーを浴びたい方は20号を選択しても良いかと思います。
2人~4人家族向け
たくさんのお湯を同時に使うことの少ない2人~4人家族位におすすめです。2人家族の場合、給湯器16号、20号で迷ってしまう人が多いようですが、給湯器20号だと少し余裕がもて快適に過ごせます。また、冬場にシャワーと台所や洗面所を同時使用した場合、給湯器16号だと物足りなさを感じることがあるので、余裕をもって20号を選ぶことをおすすめ薦めします。
4人以上家族向け
たくさんのお湯を同時に使うことの多い4人家族以上の方におすすめです。2か所目も不満なく使用できます。シャワーと台所と洗面所3箇所で同時に使うと湯量に物足りなさを感じることもありますが、使用時間が重なる可能性のある朝のシャワーと洗面所、夜のシャワーと台所、3箇所を同時に使用することは少ないので、24号の機器をお薦めします。
給湯器には「オートタイプ」と「フルオートタイプ」の2種類があります。
「オートタイプ」でも自動湯はり等の基本的な快適機能は付いているので、不便を感じることはないかと思いますが、やはりご予算に余裕があれば「フルオートタイプ」がおすすめです。
例えばオートタイプの場合は誰かがぬるいお湯につかった後、機械が温度測定をする前にお風呂に入るとぬるく感じる場合があります。また、オートタイプは自動足し湯機能がないため、お湯が少なくなっても自動足し湯がされません。しかし、フルオートの場合は、お湯の水圧を感知して温度や水量を測定して追焚きや足し湯を自動的に実行します。また、フルオートには自動配管クリーン機能がついており、浴槽のお湯を排水したときに、自動で、配管からお湯をだして配管内をきれいにします。オートにはその機能がないので、排水時に足し水や足し湯ボタンを押してもらえれば、定量が配管からでてくるため、同様の効果が得られます。
オートタイプはふろ自動スイッチを押すと、設定温度で設定湯量まで自動でお湯はりをしてくれます。 浴槽の温度を約30分ごと自動でチェックして、温度が下がると自動でおいだきしてくれます。
リモコンの自動ボタンを押すと、お好みの設定温度で設定湯量まで自動的にお湯はりを行います。
浴槽の湯量をチェックし、温度が下がると自動で追い焚きを開始。設定温度で自動保温します。
お湯が減った場合は、手動でボタンを押して、たし湯をします。
フルオートタイプはオートタイプの機能に、「おいだき配管自動洗浄」「自動たし湯」「入浴検知自動沸きあげ」がプラスされます。
フルオート・オートとも自動保温をする機能は同じなのですが、自動保温をするための方式が違います。 フルオートタイプはお湯の水圧を感知して温度や水量を測るため、例えば誰かがお風呂から上がった場合にすぐさま温度や水量を感知して追焚きや足し湯をする仕組みになっております。
リモコンの自動ボタンを押すと、お好みの設定温度で設定湯量まで自動的にお湯はりを行います。
浴槽の湯量をチェックし、温度が下がると自動で追い焚きを開始。設定温度で自動保温します。
設定湯量より3~4cm水位が下がると自動的にたし湯を行い湯量をキープ!
浴槽のお湯を捨てる際、新しいきれいなお湯で追い焚き配管内を自動洗浄!
国内の給湯器市場は、「リンナイ」と「ノーリツ」が2強でシェアを分け合っています。当社では、「リンナイ」と「ノーリツ」はもちろん「パロマ」の給湯器も取り扱っております。
給湯器本体自体の性能や種類、故障のリスクや耐用年数等については、どのメーカーの商品を選んでもほぼ変わりませんし、どのメーカーの商品も高品質な製品を製造しています。
また、給湯器を交換する際は、一部PS設置タイプの機種を除けば、基本的にどのメーカーの商品にも交換が可能ですので、必ずしも現在お使いの給湯器と同じメーカーの商品を選ぶ必要はありません。どのメーカーを採用するかは、給湯器本体よりもリモコンを重視する方が非常に多く、デザインや美観、操作性は大きな選択材料になっています。
ここまでのチェックポイントや号数を確認して、設置する商品をお選びください。
また、当店では「今使っておられる品番」から取付可能な給湯器をご案内しております。
今お使いの給湯器の据え付け位置と型番の写真を送っていただくと、工事費込みのパック価格から、さらに3000円お得になるプランもご用意しています。
また、どの給湯器を選んでいいか分からない、状況によっては、オートからフルオートへ、16号から24号への号数アップ、従来型の給湯器からエコジョーズ給湯器への交換など、ご希望に合わせて交換可能機種を選択、ご提案いたします。
【パック商品】リンナイガス給湯器 【パック商品】ノーリツガス給湯器 【パック商品】パロマガス給湯器
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